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スキンケアについて

SKIN CARE

SKIN CAREスキンケアについて

小児では皮膚バリア機能が、皮脂の低下により速やかに低下してしまいます。そのため、スキンケアは、皮疹を予防、治療するために非常に重要になります。皮疹には、

  • 紅斑(赤い状態)
  • 丘疹(隆起し、ざらざら~凹凸したものまでさまざま)
  • 湿潤・痂皮(浸出液が出ている状態、あるいはそれが乾燥して黄色のかさぶたになっている)
  • 苔癬化(硬く厚ぼったくなった皮膚)
  • 掻破痕(ひっかき傷)
  • 乾燥肌(乾いた皮膚で、白く粉をふいたような状態)

上記のさまざまな状態すべてが皮疹です。
アトピー性皮膚炎の診断には、これら皮疹と乳児では2か月以上、そのほかの年齢では6か月以上繰り返すあるいは存在するものを言います。

治療は原因除去スキンケア薬物療法の3つになります。ここでは、スキンケア、薬物療法についてお話します。

増悪因子

  • 食物(卵・牛乳・小麦など)
  • 乾燥
  • 掻破
  • よだれ
  • 石鹸
  • 洗剤
  • 衣服のこすれ
  • ダニ
  • ほこり
  • ペット
  • 細菌
  • 真菌

スキンケア

皮膚についたアレルゲン、汗、黄色ブドウ球菌などを洗い皮膚を清潔に、外用薬を塗ります。ガイドラインでは1日2回が推奨されますが、困難なことが多いので、1日1回はしっかり洗いましょう。

  • 洗い方:防腐剤や着色料、香料が入っていないものが好ましく、石鹸を泡立てて、手のひらでもむように皮膚をこすらないように洗い、丁寧にすすぐことが大事です。(特にしわを伸ばしてよくすすいでください)お湯は37-38℃程度が望ましく、掻き傷がある場所は、シャワ-ヘッドに手を当てて直接水圧(刺激が当たらないよう)がかからないようにすることも大事です。
  • 塗り方:適切に塗らないと効果が乏しくなります。
    入浴後は余分な水分をタオルでこするようには拭かず、吸い取るように拭くことが、皮膚に強い刺激を与えずにすみます。入浴後15分で水分が蒸発してしまうため、速やかに外用薬を塗りましょう。冬は軟膏やクリームを、夏はクリームやローション、泡状スプレー、液状スプレーなどを使用します。
    塗る量の目安は、大人の指先の関節一つ分の長さ(ローションは1円玉大)が0.5g(=1FTU)で、これを基本に場所によって量を変えます。

塗る量の目安(保湿剤)

顔&頸部 上肢(腕&手) 下肢(大腿&足) 体幹(前面) 体幹(背中)
3-6か月 1FTU 1FTU 1.5FTU 1FTU 1.5FTU
1-2歳 1.5FTU 1.5FTU 2FTU 2FTU 3FTU
3-5歳 1.5FTU 2FTU 3FTU 3FTU 3.5FTU
6-10歳 2FTU 2.5FTU 4.5FTU 3.5FTU 5FTU
成人 2.5FTU 3-4FTU 6-8FTU 7FTU 7FTU

塗る場所(例:顔、前腕、背中など)に均等にちょんちょんと置くように乗せ、それを全体に塗り伸ばすようにしてください。

薬物療法

ステロイド外用薬の塗り方

ステロイド外用薬の塗り方

※ステロイド外用薬は口径が小さいため、1.5-2.0FU=0.5gとなります。
※ステロイド軟膏を塗るには、上記の表の1.5~2倍程度で同量を塗ったことになります。
※ステロイドは部位によって吸収率が異なります。特に、顔、首、腋、陰嚢は吸収率が高いため、薄く塗ってください。本来塗る量の1/3~1/5程度。

リアクティブ療法とプロアクティブ療法

リアクティブ療法とは、急性期の炎症があるときのみに外用療法を行う治療法。 プロアクティブ療法とは、炎症が軽快した後、保湿剤外用薬と組み合わせて、週2-4日程度の割合で間欠的にステロイド外用薬やタクロリムス軟膏を使用し、徐々にステップダウンし、再燃を抑える治療法のこと。
皮疹を繰り返す患者様やアトピー性皮膚炎の患者さまは、プロアクティブ療法がよいと思います。

小児アレルギ-エデュケーターテキスト

参考文献:小児アレルギ-エデュケーターテキスト(基礎編 / 実践編)